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毎日の生活は常に変化します


by kurononanona

3月 冷たい雨に 

叔母の猫日記 すこし書いてみます

 小噺 その二 二題 
 猫 その一

私の家では昔から猫と一緒の家庭でした。
殊に祖母は猫好きで 面倒見がよく、猫の鼻や目など硼酸水を作って洗ってやったり、
毛並みをすき毛するような祖母でしたが、八十六歳で亡くなった朝、その猫も自分の箱の中で
ひっそりと死んでいました。

祖母が冥土の旅を歩く時、猫は後ろになったり、先になったり伴をして、一緒に往ったのだろうと
私は思いました。

そして、私もまた犬も猫も雀も皆好きです。
学生協の仕事で、学校廻りの日、渋梨分校という所に寄ると、「学校の縁の下で子猫が産まれて、
とても可愛いよ」と言う女の先生の言葉に、ホイホイと白毛の多い小さな生き物を抱いて仕事そっちのけで
帰ってきました。
これが我が家の猫のはじまりです。

やがて 大きくなった猫は四匹の子猫を産みました。
仕事が終わった毎晩、その猫達と遊ぶ事が疲労回復の様でたのしい一刻でした。
そして 夏になり、窓をあけはなす様になり、二階を住居としていた部屋から、歩き始めた子猫が
出窓に飛び上がろうとして落ちています。親猫は黙ってみているのですが、どうしても飛びあがれないひ弱な猫を口にくわえて、一尺くらいの出窓にあげます。その間に元気な猫は窓の外へ恐る恐る飛び出します。
すると親猫は大急ぎで飛び出した猫をくわえて窓の中に入れてきます。そしてその子猫に
ニャーニャー何かいっている間に別の子猫が外に飛び出し、その繰り返しで親猫は疲れて、ゼイゼイ言って、
一番かよわい猫は出窓から飛び出すこともなく、外を見たり、恐る恐る歩いたり、
なにしろ 真っ暗な夜のことですから、親猫の心配はたまりません。
言うことをきかない子猫は、自分の腹の下に入れて抑えたりしています。

私は面白くて何刻も眺めていましたが、親猫が可哀相になって、窓を閉めました。
親猫は安心した様に長く寝ころんで遊びまわる子猫を眺めています。

翌日の朝、忘れ物をとりに二階に上がると、出窓で何か鳴いています。
見ると子猫四匹を出窓に揚げて、自分は出窓のきざはしを歩いています。
そして降りてきて、子猫を一匹くわえてその5センチ巾位のきざはしに乗せて子猫の先を歩いています。
子猫はしばらく一歩位歩いても恐ろしくて動けません。
親猫は何か鳴きながら子猫をうながして歩かせようとします。
たの三匹は出窓から眺めています。
「ウフッ、親猫の教育」と思いながら、自分の用事も忘れ暫く親猫の躾にみとれ、次々と子猫を
上げたり、おろしたり、その姿は何十年過ぎても目の底に焼き付いています。
それから後、その親猫を私はニャン先生と呼ぶことにしました。
猫はそう言われる度に私をキツと一度見る様になりました。

そして
やがて親猫の跡を三匹揃って歩いている子猫達、よわよわしくて出窓にも登れなかった子猫は、
やっぱり出窓までで、鳴きながら上を見てました。



                      今日はここまで  三月の雨 やけに冷たいです。
Commented by オカユ at 2011-03-07 10:05 x
続きを楽しみにしています(*^^*)
Commented by mangel at 2011-03-07 13:16 x
光景が目に浮かぶようで。その昔、のらだったトラ猫が4匹子猫を産んだ時のことがよぎりました。私も続きを楽しみにしています。
Commented by kurononanona at 2011-03-07 19:28
オカユちゃん angelさん
 ご期待ください つづきます
by kurononanona | 2011-03-07 09:37 | Comments(3)